
「インタビューで沈黙になってしまう」「用意した質問しか聞けず、深い話が聞けない」——取材やユーザー調査の現場で、こうした悩みは非常によくあります。
インタビューは「質問をぶつける作業」ではありません。相手が考え、言葉にしやすい環境を作る「対話の設計」です。設計次第で、同じ相手からまったく異なる深さの話を引き出せます。
本記事では、
- 本音を引き出す7つのインタビューテクニック
- インタビューの失敗パターンと対策
- 記録・分析を効率化する実践的な方法
まで解説します。取材、ユーザー調査、採用面接、顧客ヒアリングまで、あらゆる「聞く仕事」に使えます。
インタビューのコツとは?押さえるべき本質
インタビューのコツとは、一言でいえば「相手が話したくなる状況を設計する技術」です。上手なインタビュアーは、聞き上手なだけではなく、事前の準備・質問の設計・場の空気づくりの3つを意図的に組み立てています。
インタビューの質は「集まる情報の深さ」で決まります。事実(いつ・何を)だけの浅いインタビューと、背景(なぜ・どう感じた)まで掘り下げた深いインタビューでは、記事・調査・提案の価値がまったく変わります。本音を引き出せるかどうかは、才能ではなく「準備と型」の問題です。
インタビューが失敗する3つのパターン
パターン1:クローズドクエスチョンだらけ
「〇〇は好きですか?」「〇〇を使っていますか?」——はい/いいえで終わる質問を重ねると、会話が尻すぼみになります。相手は「尋問されている」感覚になり、自分から話す動機を失います。
パターン2:誘導的な質問
「〇〇は便利だと思いませんか?」という質問には、相手は「便利です」と答えやすくなります。しかし、それは相手の本音ではなく、あなたの期待の反射です。社会心理学では、人は尋ねられたい答えに合わせて回答を調整する傾向が知られています(報酬性バイアス・同調バイアス)。ユーザー調査では特に致命的です。
パターン3:メモを取ることに集中して対話が止まる
相手が話している最中に目線がメモに落ちると、「聞いていない」と感じた相手は話すのをやめてしまいます。また、メモに集中するあまり重要な発言を聞き逃すジレンマも生じます。インタビューの記録問題は、多くのインタビュアーの最大の悩みです。
本音を引き出す7つのインタビューテクニック

テクニック1:オープンクエスチョンで「きっかけ」だけ作る
「どのように」「なぜ」「どんなとき」で始まる質問は、相手が自由に語れる余地を残します。例えば「この機能は使いやすいですか?」ではなく「この機能を最後に使ったのはどんなときですか?」と聞くと、具体的な状況と感情が語られます。
テクニック2:具体エピソードから入る
意見や感想は飾られがちですが、エピソードは嘘をつきにくいものです。「最近〇〇で困ったことは?」→「そのときどうしましたか?」→「なぜそうしたのですか?」の順に掘ると、行動の背景にある本音にたどり着けます。
テクニック3:沈黙を恐れない
質問のあと、相手がすぐ答えなければ、つい言い換えたり答えを提示したりしがちです。しかし、沈黙の3〜5秒は相手が「本当に思っていること」を探す時間です。プロのインタビュアーは、沈黙を「相手に返す」技術として意識的に使います。
テクニック4:おうむ返しと相槌で深掘りする
「〇〇が大変だった、とおっしゃいましたね」と短く繰り返すだけで、相手はその部分をさらに詳しく話し始めます。高度な質問をしなくても、相手の言葉を「そのまま返す」だけで対話は深くなります。
テクニック5:「5回のなぜ」で背景を探る
表面的な回答には、その背後に原因が隠れています。「なぜ」を何度か重ねる(ただし尋問にならないよう言い方を変える)ことで、課題の真因に迫れます。ユーザー調査では「なぜそう感じたのか」、取材では「なぜその決断をしたのか」が宝になります。
テクニック6:事前リサーチで「その人だけの質問」を用意する
誰にでも聞ける質問は、誰もが答えている質問でもあります。相手の経歴・発言・作品を調べたうえで「〇〇という発言がありましたが、あれはどういう経緯でしたか?」と聞けば、その瞬間にインタビューは「対話」になります。
テクニック7:記録はツールに任せ、対話に集中する
最後のコツは記録の仕組み化です。人間の記憶とメモに頼る限り、聞き逃しと「思い出しの改変」は避けられません。録音して後から文字起こしするのが基本ですが、1時間の音声の手動書き起こしには4〜6時間かかります。
Felo字幕のような自動文字起こしツールを起動しておけば、発言がその場でテキスト化され、インタビュー後は確認・分析だけに集中できます。さらに英語・中国語など20以上の言語を認識し、90以上の言語へリアルタイム翻訳できるため、外国人へのインタビューも通訳なしで正確に記録できます。

インタビューの文字起こし全般についてはインタビューの文字起こし完全ガイドで、ヒアリングの設計はヒアリングシートテンプレート4選で詳しく解説しています。
Felo字幕なら、インタビューの記録を自動化し対話に集中できます
STEP 1:インタビュー前に Felo字幕を起動する
PC・スマホでのオンラインインタビューでも、対面でPCを置いての録音でも、起動しておくだけで発言が文字起こしされます。
STEP 2:対話に集中する
メモを取る必要が減るため、テクニック1〜6(聞き方)に全力を注げます。相手とのアイコンタクトやリアクションが、回答の深さをさらに引き上げます。
STEP 3:終了直後に文字起こしを確認し、分析する
話者識別された記録から、重要な発言・矛盾点・再確認すべき点を抽出します。オンラインインタビューなら、プロフィール作成とインタビュー文字起こしのガイドが記事化の助けになります。
インタビューの種類別に効くテクニック

| インタビュー種類 | 特に効くテクニック | よくある落とし穴 |
|---|---|---|
| ユーザー調査 | 具体エピソード(2)・誘導排除 | 期待通りの答え収集 |
| メディア取材 | 事前リサーチ(6)・沈黙(3) | 情報の丸暗記質問 |
| 採用面接 | 具体エピソード(2)・深掘り(5) | 自社の宣伝ばかり |
| 顧客ヒアリング | おうむ返し(4)・なぜの重ね(5) | 表面課題で満足 |
採用・人事面談との違いに悩んだら面談とは?面接との違いのガイドも参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q1: インタビューの前に準備すべきことは?
最低限、①相手の経歴・過去発言のリサーチ、②聞きたいことのゴール設定、③質問リスト(オープン中心)の3点です。質問リストは「台本」ではなく「地図」として使い、対話の中で順番を変えてかまいません。
Q2: 会話が噛み合わないと感じたらどうすればよいですか?
話題を一度「具体的な直近の出来事」に戻すのが有効です。「この前行われた〇〇ではどんなことがありましたか?」と具体を聞くと、相手が話せる土俵に戻れます。
Q3: 録音の許可はどう取ればよいですか?
インタビュー開始時に「後ほど正確にまとめるため、録音(文字起こし)をさせていただいてもよろしいですか」とひと言添えるだけで十分です。ほとんどの場合、快諾されます。
Q4: 文字起こしは自動でどこまで正確ですか?
クリアな音声・一人ずつの発話であれば実用レベルの精度が出ます。専門用語や固有名詞は後から確認するのが安全です。Felo字幕は話者識別にも対応しているため、「誰が言ったか」の区別も楽になります。
Q5: インタビュー結果はどう分析すればよいですか?
文字起こしから①事実(行動)②意見(評価)③感情(本音)の3層で抜き出し、複数の回答で繰り返し現れるパターンを探すのが基本です。要約の技術は要約のコツ13選が参考になります。
まとめ:インタビューの上達は「型」と「仕組み」で決まる
- インタビューのコツの本質は「相手が話したくなる状況の設計」
- 失敗パターンはクローズド質問・誘導・メモへの没頭の3つ
- 7つのテクニック(オープン・具体・沈黙・おうむ返し・なぜの重ね・事前リサーチ・記録の仕組み化)を実践する
- 記録は自動文字起こしに任せ、あなたは「聞く」ことに集中する
上手なインタビュアーは生まれつきではなく、準備と型と仕組みで作られています。次のインタビューから、この7つのテクニックを意識してみてください。
